米を育てる前に

稲栽培の年間スケジュール表

米を育てる準備は

4月上旬 の 塩水選、酵母菌処理、浸水 から。

これは、2日間続けて行います。

その準備は3月中旬に酵母菌をおこすからはじまります。

 

 

特にこだわりなく、

果物のクズや皮など酵母菌と糖分を含んでいるものを水に浸けて

2週間程度かけて酵母菌液を作ります。

 

 

 

 

 

それを浴槽であっためて菌を増やしておいている隙に、

 

 

 

 

 

ボーメ計という液体の浮力を計る道具で米の選別に合わせた濃度の塩水を作ります。

 

 

 

 

そこに、昨年収穫して残しておいた籾種を浸けて浮いたものを取り除き比重の重いものを種として残します。

黄色の桶に入っているのが浮いた比重の軽い種
これは肥料として畑や田んぼに戻します。

青い袋に入っているのが沈んだ比重の重い種
今年育てるのは  4種類

ふつうの米(ウルチ)
もち米
黒米
カレー米

比重はそれぞれ違います。

 

 

 

 

 

選別の済んだ米を酵母菌液に浸けてあっためて半日。
半日経つと泡が出て、匂いも独特です。

 

酵母菌液半日浸けて処理したものは

水を替えながら発芽を待ちます。

だいたい1週間ぐらい。

 

酵母菌処理

をする人はほぼいません。

多くは

薬剤による消毒か、温度による温湯消毒で菌をなくします。

これはそもそも考え方が違います。

薬剤による消毒と、温湯消毒および酵母菌処理は

薬剤を使うか使わないか。いわゆる農薬使用か不使用かのようなこと。

「処理」と言っているのと「消毒」は

それ以上に大きく違います。

「消毒」

はその名の通り、毒をなくす。つまり菌を殺して毒のない状態を作ります。
これは、この作物の生育に関して有害、無害関係なく無差別に薬剤や温度を使って菌の少ない状態を作るろうとするわけです。

「酵母菌処理」

は酵母菌という作物の生育を害しないであろう菌を種に纏わせることで、その他の入る隙を無くそうとします。

菌というのはそこら中にあるもので、ない状態を作ったとしてもその状態を守りきるのは至難の業です。
不確定要素の多い自然界にはないと言っていいと思います。そんな条件下にいずれ晒すわけですから、
一旦菌の少ない状態を作るよりは菌の入り込む隙のない状態で育てようと思ったところからこの方法を採用しています。

そんなことを考えておきながら、

塩水選

においては、「比重」という単に実が詰まっていて重いという
たった1つの基準で
育てるか、肥料にするかという命の選別をしてしまっています。
塩ひとつまみで浮く種もあるでしょう。浮いてしまっていても遺伝的に特徴的な味を持っていた種もあるかもしれません。

他にも、病気、暑さ、寒さ、病害虫への耐性、葉や根、穂の出る時期、およびその形質、などなどあらゆる要素で植物は育っていて、
その情報が種には詰まっているはずなのに「重さ」という一点で選別してしまっています。

しかし、「重い」ということはよく育っていて、「うまい」ことの一つの条件でもありそうです。
これは、やってみて感じたことです。

植物とか命の道理とは全く矛盾していますが、
うまくて人間にとって栄養価があることでしか私には米に価値を与えることはできません。

いまだに整理して納得させながらやっています。

 

島田洋服店

がこのような記事を書いてくれています。
https://note.com/aimoaimo/n/ne0cb2776ad62
縁があってお店に伺ったこともあり、たまにお会いするんですが、せっかくこのような関わり方ができるので、
世のことではなく、聞かれたことを私はどうしているかでお答えしていくつもりです。

 

SNS等々やっていましたが、
当方の詳しい情報は今後このホームページ、メルマガ以外には書きませんのでよろしければ引き続きご覧ください。


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