稲の苗

3月後半になると稲の苗を育て始めます。

稲の栽培の始めは酵母菌を起こす事から始まります。1週間ほど瓶の中で果物のクズを水に浸けていると泡が出てきて完成です。

毎年、育てた米の殻を剥かないで、種の分を保存しておきます。これを籾とか籾種と呼びます。殻は籾殻。ちなみに、籾殻を剥いたものを玄米、1割ほど削ったものを白米と呼んでいます。

籾種を塩水に浸けて沈んだものだけを種として使います。沈んだ種を酵母菌に浸けて雑菌をつきにくくするという方法です。この処理をした籾種を1週間ほど水に浸けておくと少しだけ芽が出てきます。それを苗箱にまいて、田植機で使えるシート状の苗を育てます。この苗ができたら田植えができます。

そもそも、なぜ苗って育てるんでしょう。畑に直接種をまけばいいのではなんて思いませんか。

たぶんですね、植物って土と太陽光を取り合う事になって、結局、早い者勝ちになるんですね。耕した畑や田んぼに根を張ってヨーイドン。それが、苗だと育っている分ハンデがあるんですね。だから育ちやすい。だからこんな面倒な方法でやるんです。根が弱くて植え替えができないもの、もしくは根自体が収穫物のものは直接種をまかないといけないものもありますよ

芽を出すとき、実がなる時など変化が大きい時に弱さが出てきます。そんな時でも、菌、虫、動物、その他の植物との競争があるわけですが、それが有利になるように施すのが「農薬」と言われるものです。化学肥料は人間が扱いやすいように作られたものです。このようなものを使うのが当たり前になっていますが、これを使うことは、エネルギーを生産する農という営みにおいてエネルギーロスを起こしています。

農薬も化学肥料も育てるために作られたものです。本来、いらなくなったものを肥料にしていたでしょうから、効率はいいんじゃないかと思いながら続けています。


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